相続
2026年4月18日
更新: 2026年5月24日

相続準備は何から始める?財産目録・遺言書・生前整理の基本ガイド

相続準備は何から始める?財産目録・遺言書・生前整理の基本ガイド

相続準備の基本を詳しく解説。財産目録、遺言書、生前整理、保険や不動産、相続税の確認まで、終活で家族の負担を減らすための実践ガイドです。

相続準備は、資産家だけが行う特別な手続きではありません。預貯金、保険、不動産、借入れ、デジタル資産、重要書類の場所を整理しておくだけでも、家族の負担は大きく変わります。この記事では、終活としての相続準備を「何から始めるか」から順番に、財産目録・遺言書・生前整理の連携まで解説します。

相続準備で最初にやること

財産目録と相続準備のために書類を整理する様子

相続準備の第一歩は、財産を分けることではなく、財産の全体像を「見える化」することです。どの銀行に口座があるのか、保険に入っているのか、不動産の書類はどこにあるのか。家族が知らなければ、手続きは始められません。

最初は正式な書式にこだわる必要はありません。ノート、表計算ソフト、エンディングノートなど、自分が続けやすい方法で「一覧」を作ることが重要です。法務省・国税庁の調査では、相続トラブルの多くは「財産の把握不足」と「情報共有の欠如」が原因とされています。

財産目録に書くべき項目

財産目録とは、所有している財産や負債を一覧にしたものです。相続税の計算だけでなく、家族が手続きを進めるための地図になります。

分類記録する内容確認先
預貯金金融機関名、支店名、口座種別通帳、キャッシュカード、ネット銀行アプリ
証券・投資証券会社名、NISA、iDeCo、投資信託取引報告書、アプリ、メール
不動産所在地、名義、固定資産税通知登記関係書類、納税通知書
保険保険会社、契約者、受取人保険証券、マイページ
借入れ住宅ローン、カードローン、保証契約書、返済予定表
デジタル資産ネット銀行、電子マネー、ポイント等スマホ、メール、明細

プラスの財産とマイナスの財産を分ける

相続準備のために契約書や重要書類を確認する様子

相続では、預貯金や不動産のようなプラスの財産だけでなく、借入れや未払い金などのマイナスの財産も重要です。家族が後から借入れに気づくと、相続するかどうかの判断が難しくなる場合があります。

プラスの財産
預貯金、株式、投資信託、不動産、保険金、車、貴金属など。
マイナスの財産
住宅ローン、カードローン、未払い税金、医療費、保証債務など。
見落としやすい財産
ネット銀行、ポイント、電子マネー、暗号資産、貸金庫など。
手続きに必要な情報
書類の保管場所、問い合わせ先、契約者名、受取人。

遺言書を検討したほうがよいケース

遺言書は、財産の分け方を明確にしたい場合に役立ちます。特に、不動産がある、相続人同士の関係が複雑、特定の人に多く残したい、事実婚のパートナーに残したい、事業を引き継がせたい、といった場合は検討する価値があります。

遺言書を検討したい例

  • 自宅など分けにくい不動産がある
  • 相続人以外に財産を残したい人がいる
  • 家族間で意見が割れそうな事情がある
  • 介護してくれた家族へ配慮したい
  • 寄付や社会貢献を考えている
遺言書は形式が重要です
自筆証書遺言や公正証書遺言には、それぞれ要件があります。方式を誤ると希望どおりに効力が認められない可能性があります。実際に作成する場合は、法務省の案内や専門家の確認をおすすめします。

生前整理と相続準備はセットで進める

生前整理は、物を減らして暮らしを整える作業です。相続準備は、財産や契約の情報を家族が把握できるようにする作業です。別々に見えますが、実際には一緒に進めると効率的です。

作業目的具体例
生前整理物を減らし、必要なものを残す不要品処分、写真整理、書類整理
財産目録資産と負債を一覧化する口座、保険、不動産、借入れ
遺言書財産の分け方を明確にする誰に何を残すかを記す
エンディングノート希望や保管場所を伝える医療、葬儀、連絡先、メッセージ

相続税の確認も早めに行う

相続税の確認と計算書類

相続税がかかるかどうかは、財産の総額や相続人の数などによって変わります。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人数」です。これを超える場合は、死亡後10ヶ月以内に相続税の申告・納付が必要となります。

「相続税がかかるかわからない」「不動産がある」「過去に贈与がある」「家族構成が複雑」という場合は、税理士などの専門家に早めに相談すると安心です。

家族に残すと助かる情報
相続税の金額そのものを書けなくても、固定資産税通知書、保険証券、証券会社の書類、借入れの契約書がどこにあるかを書いておくと、家族や専門家が確認しやすくなります。

家族と話すときの進め方

相続の話は、お金の話になりやすいため切り出しにくいテーマです。最初から財産額や分け方を話す必要はありません。まずは「重要書類の場所」「緊急時に連絡してほしい専門家」「保険に入っていること」など、実務的な情報から共有しましょう。

  1. 家族が集まるタイミングで、終活の一部として話す
  2. 財産額ではなく、書類の保管場所から共有する
  3. 希望がある場合は、理由も一緒に伝える
  4. 一度で終わらせず、年1回見直す

相続準備チェックリスト

  • 銀行口座と証券口座を一覧にした
  • 不動産の所在地と書類の場所を確認した
  • 保険会社・受取人・証券番号を整理した
  • ローンや借入れの有無を確認した
  • ネット銀行やデジタル資産を書き出した
  • 遺言書が必要か検討した
  • 家族に重要書類の保管場所を伝えた
  • 専門家に相談すべき点をメモした

よくある質問(FAQ)

Q:相続準備は何歳から始めるべきですか?

A:法律上の規定はありませんが、50代から始めると余裕をもって準備できます。財産目録の作成だけなら、健康なうちであれば何歳でもすぐに始められます。早く始めるほど、見落としを防げます。

Q:財産目録は専門家に作ってもらう必要がありますか?

A:法的義務はなく、自分でも作成できます。ただし相続税の申告が必要な場合は、税理士に依頼して正式な評価額を算出することが必要です。まずは自分で一覧を作り、専門家が必要かどうかを判断しましょう。

Q:子どもがいない場合、誰が相続人になりますか?

A:配偶者と故人の直系尊属(親・祖父母)が相続人になります。直系尊属もいない場合は兄弟姉妹(またはその子)が相続人になります。配偶者もいない場合は親族が相続人です。希望する相手に財産を渡すには遺言書の作成が必要です。

参考にした公的情報

今日からできる第一歩
通帳、保険証券、固定資産税通知書、ローン関係書類を1か所に集めてください。財産の評価や分け方を決める前に、まず「家族が探せる状態」を作ることが相続準備の出発点です。
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