相続・遺言
2026年5月3日
更新: 2026年5月24日

準確定申告完全ガイド|4ヶ月以内の期限・必要書類・対象者・書き方を徹底解説

準確定申告完全ガイド|4ヶ月以内の期限・必要書類・対象者・書き方を徹底解説

準確定申告は亡くなった人の所得税を相続人が代わって行う申告。期限は相続開始から4ヶ月以内(厳守)。対象期間は1月1日〜死亡日。対象になる所得(事業・不動産・年金・株式等)、必要書類、書き方(朱書きで「準確定申告」と書く)、使える控除一覧、複数相続人の連署手続き、納税・還付の流れ、専門家依頼費用相場まで完全網羅。

この記事のポイント

  • 準確定申告とは亡くなった人の所得税の確定申告を相続人が代わって行う手続き
  • 提出期限は相続を知った日の翌日から4ヶ月以内(厳守)
  • 対象は被相続人の1月1日〜死亡日までの所得
  • 相続人全員が連署で提出。代表者がまとめて出す方式が一般的
  • 遅延すると無申告加算税15〜20%+延滞税が発生

準確定申告とは?

準確定申告(じゅんかくていしんこく)は、所得があった人が亡くなったときに、その人の1月1日から死亡日までの所得税について、相続人が代わって行う確定申告です。所得税法124条・125条に根拠があり、原則として相続人全員が連署して提出します。

クリップボードと書類
準確定申告は4ヶ月以内の期限がある重要な手続きです

通常の確定申告との違い

通常の確定申告準確定申告
申告者本人相続人(連署)
対象期間1月1日〜12月31日1月1日〜死亡日
期限翌年3月15日相続開始を知った日から4ヶ月以内
提出先本人の住所地税務署被相続人の住所地税務署
還付の有無還付・追徴あり還付・追徴あり

対象になる人・ならない人

▼ 準確定申告が必要なケース

  • 個人事業主・フリーランスだった
  • 不動産所得(家賃収入)があった
  • 2,000万円超の給与所得があった
  • 給与・退職金以外の所得が20万円超
  • 2ヶ所以上から給与をもらっていた
  • 公的年金等の収入が400万円超
  • 株式・FX・暗号資産の売却益があった
  • 医療費控除など還付を受けたい
サラリーマンの多くは不要
年末調整で完結するサラリーマンの方の場合、原則として準確定申告は不要です。ただし医療費が10万円超だった場合は還付申告するとお金が戻ることがあります。

期限は4ヶ月以内|遅れると追加負担

時計と書類
4ヶ月以内の期限は厳守。遅延は加算税・延滞税の対象

準確定申告の期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内」です。多くの場合は被相続人の死亡日の翌日からカウントします。

具体例

  • 5月15日に死亡 → 9月15日までに申告・納税
  • 11月10日に死亡 → 翌年3月10日までに申告・納税
  • 12月25日に死亡 → 翌年4月25日まで(通常確定申告期限と異なる)

遅延した場合のペナルティ

違反追加課税
無申告(自主申告)無申告加算税 5%
無申告(税務署指摘)無申告加算税 15〜30%
延滞延滞税(年7.3〜14.6%)

必要書類の準備

▼ 共通で必要な書類

  • 確定申告書B(準確定申告用)
  • 準確定申告の確認書(相続人全員の署名)
  • 被相続人の生前の所得を証明する書類(源泉徴収票等)
  • 被相続人の生命保険料・地震保険料・社会保険料の証明書
  • 被相続人の医療費領収書(医療費控除を受ける場合)
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 相続人の本人確認書類

所得別に必要な追加書類

所得の種類必要な追加書類
給与所得源泉徴収票(死亡退職時のもの)
事業所得帳簿・領収書・売上明細
不動産所得家賃収入明細・経費領収書
年金公的年金等の源泉徴収票
株式売却益証券会社の年間取引報告書

準確定申告書の書き方

書類の確認作業
通常の確定申告書を流用し、表題を「準確定申告」に変更する方式

専用の様式はなく、通常の確定申告書Bを流用します。次の点だけ修正します。

▼ 通常の申告書からの変更点

  • 用紙の上部に「準確定申告」と朱書き(赤ペン)
  • 所得の対象期間を「○年1月1日〜○年○月○日(死亡日)」に
  • 「申告者」欄に相続人代表者の氏名・住所
  • 「被相続人」欄に故人の氏名・住所・生年月日・死亡日
  • 「準確定申告書付表」に相続人全員の情報を記載
  • 相続人全員が署名押印

使える控除・使えない控除

控除使える?備考
基礎控除(48万円)○ 使える所得から差し引き
配偶者控除○ 使える死亡日時点での状況
扶養控除○ 使える同上
医療費控除○ 使える1月1日〜死亡日に支払った医療費
社会保険料控除○ 使える死亡日まで支払ったもの
生命保険料控除○ 使える同上
地震保険料控除○ 使える同上
住宅ローン控除○ 使える死亡日までの居住期間分
寄附金控除○ 使える同上
医療費控除は「死亡日までに支払った分」のみ
配偶者や子が後から支払った医療費は、被相続人の準確定申告では控除できません(相続人自身の確定申告で控除可能)。

相続人複数の場合の連署手続き

相続人が複数いる場合は、原則として全員が連署で1つの申告書を提出します。代表者を決めて、その人がまとめて手続きするのが一般的です。

連署の方法

  • 「準確定申告書付表」を作成し、相続人全員の氏名・住所・続柄・相続分を記入
  • 相続人全員が署名押印
  • 代表者が税務署に提出
  • 納税・還付は各相続人の相続分に応じて分担
連署が難しい場合は単独で提出可
相続人間の意見が割れる、行方不明の相続人がいる、などで連署が難しい場合は、相続人各自が個別に準確定申告書を提出することも可能。ただし他の相続人にも提出した旨を通知する義務あり。

納税・還付の方法

追加納税が必要な場合

申告時に判明した税額を、申告期限までに納付。納付書を税務署で受け取り、銀行・コンビニで支払い。納税分は相続税の債務控除対象になります(相続税申告時に活用)。

還付がある場合

還付金は相続財産の一部として扱われます。代表者の口座に振り込まれた後、相続人の相続分に応じて分配。確定申告書類に「還付金受取口座」欄を記入。

専門家に依頼する場合の費用

専門家費用相場対応範囲
税理士(給与・年金のみ)3〜5万円シンプルな所得
税理士(事業所得あり)5〜15万円帳簿整理含む
税理士(不動産あり)10〜20万円賃貸経営の精算
税理士(複雑案件)20万円〜株式・暗号資産・複数所得
相続税申告とセット依頼が割安
相続税申告(10ヶ月以内)も同じ税理士に依頼すれば、データ共有でき総額20〜50万円程度に抑えられることが多い。詳しくは相続税の基礎知識もご参照ください。

よくあるトラブル事例

トラブル①:4ヶ月期限を見落とし
葬儀やら相続やらでバタバタしていると、つい4ヶ月以内の準確定申告期限を見落としがち。死亡届を出した時点で「4ヶ月後」をカレンダーに記入。
トラブル②:相続人の連署が取れない
関係が悪い相続人がいて連署不可能な場合、各自個別提出を選択。ただし他の相続人への通知は忘れずに。
トラブル③:所得の見落とし
年金・株式・配当金など見落としやすい所得あり。被相続人の通帳・口座を全て確認し、入金履歴から所得を遡って把握。
トラブル④:医療費控除の対象期間ミス
「亡くなった月の医療費はどっち?」と迷うことも。死亡日までに本人が支払った分のみが準確定申告の対象。死亡後に家族が支払った分は別扱い。

まとめ|死亡後の3大税務手続きの一つ

準確定申告は、死亡届・相続放棄(3ヶ月)と並んで、死亡後に家族が必ず確認すべき重要な期限。10ヶ月以内の相続税申告とは別個の手続きであることを忘れずに。

シンプルなケースなら自分でも対応可能ですが、事業所得や不動産所得があれば税理士へ相談を。ゆいぽけのエンディングノートでは、収入源・契約している保険・税理士の連絡先を整理して残せます。相続税の基礎知識相続手続きの流れ死亡届の書き方もあわせて確認してください。

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