この記事のポイント
- 死亡届は死亡を知った日から7日以内に提出(戸籍法86条)
- 左半分が「死亡届」(家族記入)、右半分が「死亡診断書/死体検案書」(医師記入)
- 提出先は本籍地・死亡地・届出人の所在地のいずれかの市区町村役場
- 24時間365日受付(夜間は宿直窓口)。提出と同時に火葬許可証が交付される
- 遅れると5万円以下の過料(戸籍法137条)。海外死亡は3ヶ月以内
死亡届とは?戸籍法の根拠
死亡届は、人が亡くなったことを公的に記録するために、市区町村役場に提出する戸籍上の届出です。根拠法は戸籍法86条で、「死亡の事実を知った日から7日以内」に提出する義務が定められています。
死亡届を提出すると、戸籍に「除籍」と記載され、住民基本台帳から除票されます。また、死亡届の情報は年金事務所・国民健康保険・介護保険・固定資産税などに連携され、各種給付・課税が自動停止される基点となります。
提出期限|死亡を知った日から7日以内
提出期限の起算ルール
- 国内死亡:死亡を知った日から7日以内(死亡日を含めない)
- 国外死亡:死亡を知った日から3ヶ月以内
- 遅延:5万円以下の過料(戸籍法137条)
「7日以内」と聞くと余裕に思えますが、実務的には葬儀・火葬の前提として火葬許可証が必要なため、現実には死亡当日〜翌日に提出するのが通常です。
墓地埋葬法3条により、死亡後24時間以内の火葬は禁止(蘇生事例を防ぐため)。死亡届提出後、火葬許可証を持って火葬場へ行きます。
死亡届の構成|左右で役割が違う
死亡届はA3サイズの1枚で、用紙の左右で記入者が異なります。
| 左半分(家族が記入) | 右半分(医師が記入) | |
|---|---|---|
| 名称 | 死亡届 | 死亡診断書 または 死体検案書 |
| 記入者 | 届出人(遺族) | 医師 |
| 記入内容 | 故人の氏名・住所・本籍・死亡日時、届出人の情報 | 死亡日時・場所・死因・死亡の種類 |
| 料金 | 無料 | 3,000〜10,000円(医療機関による) |
死亡診断書 vs 死体検案書
病院・診療所で診療を受けていた医師が、診療関連の病気で死亡したと判断した場合に発行。料金 3,000〜5,000円。
事故・自殺・孤独死・突然死など、診療関連でない死亡を医師が検案して発行。料金 5,000〜10,000円。警察が関与するケースでは検視も。
届出人になれる人(戸籍法87条)
▼ 届出人になれる人(順番)
- ① 同居の親族
- ② その他の同居者
- ③ 家主・地主・家屋管理人・土地管理人
- ④ 同居していない親族
- ⑤ 後見人・保佐人・補助人・任意後見人
- ⑥ 任意後見受任者
実務上は実際の窓口提出は誰でも可能(葬儀社の人が代理提出することが多い)。届出人欄に署名・押印するのは①〜⑥の人です。
提出先|3つの選択肢
死亡届は次の3つの市区町村役場のいずれかに提出します(戸籍法88条)。
病院・自宅・施設など、実際に亡くなった場所の市区町村
故人の戸籍がある市区町村
届出人が住んでいる、または滞在している市区町村
火葬許可証が必要なので、火葬予定の地域に近い市区町村(多くの場合は死亡地)が手続きがスムーズです。
記入欄解説|左半分(死亡届)の書き方
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 氏名 | 故人の氏名(戸籍の通り、旧字体に注意) |
| 生年月日 | 西暦・元号どちらでも可 |
| 死亡したとき | 右半分に医師が記入する日時と一致 |
| 死亡したところ | 同上 |
| 住所 | 住民票の住所(住民登録地) |
| 本籍 | 戸籍謄本の通り(住所と異なるケース多数) |
| 配偶者の有無 | 配偶者あり/なし、内縁関係 |
| 世帯の主な仕事 | 選択肢から選ぶ |
| 故人の職業・産業 | 5年に1度の国勢調査年のみ |
| 届出人 | 本人と故人の続柄、住所、氏名、押印(認印で可) |
本籍地は住所と異なる場合があります。免許証の記載や戸籍謄本で正確に確認すること。誤記すると差し戻しになります。
24時間365日受付|夜間提出も可
市区町村役場の戸籍窓口は通常平日の日中のみですが、死亡届は休日・夜間でも宿直窓口で受付てくれます。
| 受付時間帯 | 窓口 | 当日の処理 |
|---|---|---|
| 平日 8:30〜17:15 | 戸籍課(メイン窓口) | 火葬許可証即発行 |
| 平日夜間・土日祝 | 宿直・警備員室 | 受領印のみ・後日処理 |
24時間体制の自治体(人口の多い都市部)では、夜間受付でも火葬許可証を即時発行してくれます。手続き前に電話で確認すると安心。
同時に交付される火葬許可証
死亡届を提出すると、市区町村から火葬許可証(火葬埋葬許可証)が交付されます。これは火葬場で必要となる重要書類で、火葬後は「火葬済証明」または「埋葬許可証」として返却され、お墓への納骨に使います。
- 1死亡届を提出 → 火葬許可証を受け取る
- 2火葬場へ持参 → 火葬を執行
- 3火葬済の押印を受けて埋葬許可証となる
- 4骨壷と一緒に保管 → 納骨時に墓地・霊園へ提出
提出後の自動連携
死亡届を提出すると、市区町村から関連機関に自動的に情報連携されます。
| 連携先 | 連携内容 |
|---|---|
| 住民基本台帳 | 住民票から除票 |
| 戸籍 | 除籍記載 |
| 年金事務所 | 年金支給停止・遺族年金審査 |
| 国民健康保険 | 資格喪失 |
| 介護保険 | 資格喪失 |
| 固定資産税 | 納税義務者の変更 |
死亡届提出により、マイナンバーは無効化されます。カードは家族が記念に保管しても、シュレッダー処分してもOK。J-LISの電子証明書も自動失効するため、銀行・証券口座の本人確認には使えなくなります。
死亡届提出後の主要手続き|14日以内
死亡届を起点に、次の14日以内に行うべき手続きが多数あります。
▼ 14日以内の主な手続き
- 世帯主変更届(世帯主が死亡した場合・住民票の市区町村)
- 国民健康保険 資格喪失届
- 介護保険 資格喪失届
- 後期高齢者医療 資格喪失届
- 葬祭費・埋葬料の申請(5万円給付)
- 年金受給権者死亡届(厚生年金10日以内、国民年金14日以内)
- 準確定申告(4ヶ月以内)
全体スケジュールは相続手続きの流れと期限チェックリストをご覧ください。
オンライン化への動き
2025年現在、死亡届のオンライン提出は原則できません。死亡診断書(医師記入欄)の真正性確認の問題があるため、紙ベースが続いています。
ただしデジタル庁が推進する「死亡相続関連手続のワンストップ化」が進行中で、将来的にはマイナポータル経由で死亡届の電子提出+複数機関への自動連携が実現する見込みです。
まとめ|遺族の最初の重要手続き
死亡届は遺族が最初に行う公的手続きであり、すべての相続関連手続きのスタート地点。葬儀社が代行することが多いですが、記入内容(特に本籍地)の確認は必ず家族が行うことが大切です。
ゆいぽけのエンディングノートでは、本籍地・住民票の住所・死亡時に伝える緊急連絡先などを残せるため、遺族が死亡届を即座に書ける状態に整えられます。相続登記の義務化、遺産分割協議書の書き方もあわせてご確認ください。
