相続・遺言
2026年4月23日
更新: 2026年5月24日

公正証書遺言の作り方完全ガイド|費用の計算方法・必要書類・公証役場の流れ

公正証書遺言の作り方完全ガイド|費用の計算方法・必要書類・公証役場の流れ

公正証書遺言は公証人が作成する最も確実な遺言方式。費用(遺産1億円で43,000円〜)、必要書類(印鑑証明・戸籍・不動産登記簿など10〜15点)、証人2名の手配方法、公証役場での流れを網羅。自筆証書遺言との違いから見直しタイミングまで徹底解説します。

この記事のポイント

  • 公正証書遺言は公証人が作成する遺言書で、3方式の中で最も確実・安全
  • 費用は相続財産の価額に応じた手数料制(目安:遺産1億円なら43,000円)
  • 必要書類は印鑑証明・戸籍・不動産登記簿など、平均10〜15点
  • 証人2名の手配が必要。相続人・受遺者は証人になれない

公正証書遺言とは?

公正証書遺言とは、公証役場で公証人が遺言者の口述内容をもとに作成する公文書形式の遺言書です。民法969条に定められた厳格な方式で作成され、法的効力に関するトラブルが起きる可能性がほぼゼロという、最も確実な遺言方式です。

遺言の種類作成者無効リスク家裁の検認
自筆証書遺言本人(全文自筆)高い必要(保管制度利用時は不要)
公正証書遺言公証人極めて低い不要
秘密証書遺言本人(署名のみ)高い必要

自筆証書遺言が無効になる9つの条件を読むとわかるとおり、自筆証書は「日付」「署名」「押印」のわずかなミスで無効になります。確実性を最優先するなら公正証書遺言一択です。

公証役場で書類を確認するシーン
公証人が立ち会うため、遺言の形式不備で無効になるリスクがほぼゼロです

公正証書遺言の5つのメリット

  • 無効リスクがほぼない:公証人が法律上の要件を満たすよう作成するため
  • 原本を公証役場が保管:紛失・改ざん・隠匿のリスクがない(20年+遺言者満120歳まで)
  • 家庭裁判所の検認が不要:相続人の負担が大きく軽減される
  • 全国の公証役場で検索可能:遺言検索システムで遺族がすぐに発見できる
  • 口述で作成できる:手が震える、字が書けない高齢者でも可能

必要書類一覧

公正証書遺言の作成には、本人の身分を証明する書類、相続人・受遺者の関係を示す書類、遺産内容を示す書類が必要です。

▼ 必要書類(標準例)

  • 遺言者の印鑑登録証明書(3ヶ月以内)
  • 遺言者の戸籍謄本
  • 遺言者と相続人の関係がわかる戸籍謄本
  • 受遺者(相続人以外に遺贈する場合)の住民票
  • 不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書
  • 預貯金の通帳コピー(金融機関名・支店・口座番号)
  • 株式・投資信託の保有明細書
  • 生命保険証券のコピー
  • 遺言執行者の住民票(指定する場合)
  • 証人2名の身分証明書写し

費用の計算方法

公正証書遺言の手数料は、相続財産の価額に応じた段階性です。公証人手数料令で次のように定められています。

目的の価額手数料
100万円以下5,000円
200万円以下7,000円
500万円以下11,000円
1,000万円以下17,000円
3,000万円以下23,000円
5,000万円以下29,000円
1億円以下43,000円
3億円以下5,000万円までごとに13,000円加算
手数料の計算方法
財産を取得する人ごとに計算して合算します。例:長男に3,000万円、長女に2,000万円を相続→23,000円+23,000円=46,000円。さらに遺言加算(全体額が1億円以下なら一律11,000円)と枚数加算(4枚を超える部分 1枚につき250円)が発生します。

証人2名の手配

公正証書遺言の作成には、証人2名の立会いが必須です。ただし、以下の人は証人になれません(民法974条)。

  • 未成年者
  • 推定相続人・受遺者、およびそれらの配偶者と直系血族
  • 公証人の配偶者・4親等内の親族・書記・使用人

証人が見つからない場合、公証役場で有料(1人6,000〜10,000円)で手配してくれます。弁護士・司法書士に依頼する場合は多くが証人も兼ねます。

作成の流れ|6ステップ

▼ 公正証書遺言ができるまで

  • ① 遺産と相続人を整理し、遺言内容のラフ案を作る
  • ② 必要書類を収集する(役所・金融機関・法務局)
  • ③ 最寄りの公証役場に連絡し、日程調整・事前打合せ
  • ④ 公証人が原案を作成(メール・FAXで事前確認)
  • ⑤ 指定日に本人+証人2名が公証役場へ。公証人の読み聞かせ→内容確認→署名押印
  • ⑥ 正本・謄本を受領(原本は公証役場が保管)

準備開始から作成完了まで2〜4週間が目安。遠方から出張作成も可能(出張費別途)で、病床の方でも作成できます。

作成時の3つの注意点

注意①:遺留分に配慮
配偶者・子・父母には「遺留分」という最低保証分があります。特定の相続人にすべてを遺贈すると遺留分侵害額請求で揉める原因に。弁護士と相談しながら配分を決めましょう。
注意②:遺言執行者の指定
遺言執行者を指定しておかないと、相続人全員の協力で手続きを進める必要があります。専門家(弁護士・司法書士)を指定しておくとスムーズです。
注意③:定期的な見直し
家族構成・財産状況・関係性は変わります。5年に1度は内容を見直し、必要なら新しい公正証書遺言を作成(古いものは自動失効)してください。

まとめ|最初はゆいぽけで下書きを

公正証書遺言は「絶対に無効にしたくない」「相続人を争わせたくない」人にとって最善の選択肢です。費用はかかっても、数十万円の争族リスクを防げることを考えれば十分にペイします。

いきなり公証役場へ行くのはハードルが高い——そんな方は、まずゆいぽけで下書きと財産目録を作成してみてください。エンディングノートで資産を棚卸しし、遺言書ドラフトを整えておけば、公証人との打合せが半分以下の時間で済みます。死後事務委任契約も同時に公正証書化すれば、公証役場を1回訪問するだけで万全の備えが整います。

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