法律
2026年4月23日
更新: 2026年5月24日

死後事務委任契約とは?費用相場・おひとりさまが選ぶべき理由・遺言書との違いを徹底解説

死後事務委任契約とは?費用相場・おひとりさまが選ぶべき理由・遺言書との違いを徹底解説

死後事務委任契約は、葬儀・役所手続き・遺品整理など死亡後の実務を第三者に託せる契約。おひとりさまや子のいない夫婦が選ぶべき理由、費用相場(総額100〜250万円)、任意後見・遺言書との違い、公正証書で締結する手順までを徹底解説します。

この記事のポイント

  • 死後事務委任契約は、葬儀・納骨・役所手続き・遺品整理など死亡後の実務を第三者に任せる契約
  • 遺言書では対応できない「死後の実務」をカバー。おひとりさま・子のいない夫婦に必須
  • 費用相場は契約作成料30〜80万円+預託金30〜100万円が一般的
  • 任意後見契約・遺言書とセットで「三点セット」にするのが安心

死後事務委任契約とは?

死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後に発生するさまざまな事務手続きを、信頼できる第三者(司法書士・弁護士・NPO・民間事業者)に事前に依頼しておく契約です。身寄りがない方や、家族に負担をかけたくない方を中心に利用が広がっています。

相続手続きの中には、遺言書でも任意後見契約でもカバーできない「グレーゾーン」があります。たとえば葬儀の手配、携帯電話の解約、SNSアカウントの削除、病院への支払い、遺品整理の手配などです。これらを事前に委任しておくのが死後事務委任契約の役割です。

契約書にサインをする高齢者のイメージ
死後事務委任契約は、亡くなった後の「実務」を第三者に託すための契約です

遺言書・任意後見契約との違い

死後事務委任契約は、よく遺言書や任意後見契約と混同されますが、それぞれ役割がまったく異なります。

契約の種類効力発生主な内容
任意後見契約判断能力低下〜死亡まで財産管理・医療契約・介護契約
死後事務委任契約死亡後葬儀・納骨・役所手続き・遺品整理
遺言書死亡後相続財産の分配・遺言執行者の指定

つまり、生前の財産管理は任意後見契約、財産分配は遺言書、死後の実務は死後事務委任契約で守るのが基本の構図です。おひとりさまはこの3つをセットで準備すると抜け漏れがありません。詳しくはおひとりさまの終活完全ガイドもあわせてご覧ください。

契約に含められる主な内容

死後事務委任契約の対象は、法律上明確に決まっていません。そのため、本人と受任者の合意で自由に定めることができます。一般的に含められる項目は次のとおりです。

▼ 契約に盛り込める主な死後事務

  • 葬儀・火葬・埋葬・納骨の手配と費用支払い
  • 菩提寺・霊園への連絡、戒名の手配
  • 死亡届・年金受給停止などの役所手続き
  • 病院・介護施設への支払い、私物の引取り
  • 賃貸住宅の解約・原状回復・荷物撤去
  • 公共料金・携帯電話・サブスクの解約
  • SNS・メールアカウント等デジタル資産の処理
  • ペットの引渡し先への手配
  • 知人・友人・勤務先への死亡通知

費用相場と内訳

死後事務委任契約の費用は、受任者(誰に依頼するか)と委任する範囲によって大きく変わります。一般的な相場は次のとおりです。

受任者契約作成料預託金の目安特徴
司法書士・弁護士30〜50万円50〜100万円法律の専門家。トラブル時の安心感が高い
行政書士10〜30万円30〜80万円費用を抑えやすい。業務範囲に注意
NPO法人・民間事業者10〜30万円30〜80万円包括サービスとしてパッケージ提供
信託銀行50〜100万円150万円〜法人格の安定性。費用は高め

「預託金」とは、葬儀・火葬・未払金支払いなどの実費に充当するためのお金で、生前に受任者に預けておくものです。契約時に支払うため、総額では100万円〜250万円程度を見込んでおくと安全です。

預託金は「実費の仮払い」
預託金はあくまで死後事務の実費に充てられるお金で、報酬とは別です。契約終了時に余った分は相続人に返還されます。預託金を受け取らず「相続財産から清算」する受任者もいます。

契約の流れ

死後事務委任契約を結ぶまでの流れは次のとおりです。

▼ 契約締結までの5ステップ

  • ① 委任したい事務内容を整理する(チェックリストを作る)
  • ② 受任者候補と面談し、見積もりを取る(複数社比較が基本)
  • ③ 契約書案を作成し、内容を細かく確認する
  • ④ 公証役場で公正証書として契約する(任意後見・遺言と同時作成が効率的)
  • ⑤ 預託金を振込み、契約完了後も年1回は連絡を取り合う

公正証書で契約する理由

死後事務委任契約は私文書でも有効ですが、公正証書での作成が強く推奨されます。理由は次の3点です。

① 公証人が関与するため、契約内容が法的に明確になる。② 原本が公証役場に20年間保管され、紛失リスクがない。③ 金融機関や役所が契約書を信用しやすく、実務がスムーズに進む。

特に役所での手続き(年金受給停止・住民票除票取得など)では、公正証書でないと受け付けてもらえないケースが少なくありません。公正証書遺言の作り方ガイドと同時に作成すれば、公証役場を1回訪問するだけで済みます。

契約時の3つの注意点

注意①:受任者の継続性を確認
個人に依頼する場合、受任者が先に亡くなってしまうリスクがあります。予備的受任者を定めるか、法人(司法書士法人・NPO法人)を選ぶのが安全です。
注意②:相続人がいる場合は合意形成が必要
相続人がいるのに死後事務委任契約を結ぶと、葬儀の費用負担や遺品処分で相続人とトラブルになることがあります。可能であれば相続人にも契約内容を共有しておきましょう。
注意③:預託金の分別管理
預託金は受任者が管理するため、分別管理(専用口座)が行われているか、倒産時の保全は可能かを必ず確認してください。

まとめ|ゆいぽけで死後事務の前段階を整理

死後事務委任契約は、おひとりさま・子のいない夫婦・家族に負担をかけたくない方にとって「心の保険」となる契約です。遺言書と任意後見契約とあわせて準備すれば、生前から死後までのすべての局面で安心できる備えが整います。

ゆいぽけでは、エンディングノートで死後事務の「委任したい内容」を整理し、あとよろ機能で信頼できる第三者へ確実に意思を届けられます。契約前の情報整理ツールとして、ぜひ活用してください。

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