この記事のポイント
- 喪中はがきは11月初旬〜12月初旬までに投函(相手が年賀状を書く前)
- 送る範囲は二親等以内の親族が亡くなった場合が一般的
- 文章の構成は5要素(前文・故人情報・感謝・結び・日付)
- 続柄は差出人から見た関係で記載(例:「父○○」「義母○○」)
- 12月以降に届いた・忘れた場合は寒中見舞い(1/8〜2/3)で代用
- 受け取った側は年賀状を送らず、寒中見舞いでお悔やみを伝えるのがマナー
喪中はがきとは?
喪中はがき(年賀欠礼状)とは、近親者が亡くなったため翌年の新年の挨拶を控えることを、年賀状をやり取りしている相手に事前に知らせるはがきのことです。「年賀欠礼挨拶状」とも呼ばれ、明治時代に皇室の大喪に伴って一般化したと言われています。
喪中はがきの目的
喪中はがきには大きく次の3つの目的があります。
- 年賀状を控える理由を伝える:相手が「いつもくれるのに今年は来ない」と不思議に思わないよう、事前に説明する
- 相手の年賀状準備を止めてもらう:相手が喪中の家へ年賀状を出して困らないよう、書く前に届ける
- 故人の死を知らせる:訃報を伝えていない相手に、亡くなったことをやんわり伝える
一般的に喪中とされる期間は約1年(一周忌まで)。ただし宗教・宗派によって解釈が異なり、神道は50日、仏教は四十九日とする考え方もあります。年賀欠礼の慣習としては、亡くなってから1年間を「喪中」と捉えるのが現代の標準です。
いつ出す?喪中はがきを送る時期
喪中はがきは、相手が年賀状の準備を始める前に届くタイミングがベストです。
| 時期 | 状況 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 11月初旬〜12月初旬 | 標準的な投函時期 | このタイミングで投函するのがベスト |
| 12月中旬以降 | 相手が年賀状を出した後 | 寒中見舞い(1/8〜2/3)で対応 |
| 12月後半に身内が急逝 | 喪中はがきが間に合わない | 年明けに寒中見舞いで報告 |
| 1月8日〜2月3日(立春前) | 松の内が明けてから立春まで | 寒中見舞いの時期 |
12月後半に身内が亡くなった、または喪中はがきの準備が間に合わなかった場合は、年明けの1月8日〜2月3日に「寒中見舞い」を送るのが正解。寒中見舞いには「身内に不幸があり年賀状を遠慮した」旨と「年賀状を頂いた御礼」を書きます。
送る相手・送らない相手
送る相手
原則として、毎年年賀状をやり取りしている相手全員に送ります。
- 親族(喪中であることを知っている人にも一応送る)
- 友人・知人
- 仕事関係(上司・同僚・取引先)
- 恩師・先輩
送らなくてよい相手
- 故人と面識のなかった人(自分の仕事関係のみ):通常通り年賀状でOKという考え方もある
- 喪中であることを知っている近親者:省略可(ただし慣習的には送る)
- 葬儀に参列していただいた方:葬儀ですでに知らせているため省略可
近年では「プライベートと仕事を分け、仕事関係には通常の年賀状を出す」という考え方も浸透。喪中はがきは故人を知る相手に絞り、仕事用は通常通りという選択肢もあります。会社の規定がある場合はそれに従いましょう。
喪中となる「続柄の範囲」
「喪中はがきを出すかどうか」は、亡くなった人との続柄で判断します。一般的には二親等以内が目安です。
| 続柄 | 親等 | 喪中とすることが多い? |
|---|---|---|
| 父母・配偶者・子 | 一親等 | ○ 多くの方が喪中 |
| 義父母(配偶者の父母) | 一親等(婚姻) | ○ 喪中 |
| 祖父母 | 二親等 | ○ 同居・近い場合は喪中 |
| 兄弟姉妹 | 二親等 | ○ 喪中 |
| 孫 | 二親等 | ○ 喪中 |
| 義兄弟姉妹 | 二親等(婚姻) | △ ケースバイケース |
| 叔父・叔母(伯父・伯母) | 三親等 | △ 同居の場合は喪中 |
| いとこ | 四親等 | × 通常は喪中としない |
二親等以内が一般的な目安ですが、「同居していた」「特に関係が深かった」「気持ち的に年賀の挨拶ができない」と感じる場合は、続柄に関わらず喪中とするのが現代的です。形式より気持ちを優先しましょう。
喪中はがきの構成|5要素
喪中はがきの文章は、次の5要素を順番に並べた定型構成です。
- 1挨拶文(年賀欠礼の前置き)
「喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます」など。「拝啓」「敬具」などの頭語・結語は省略。
- 2故人の情報
続柄・氏名・年齢・亡くなった月。例:「本年○月に父○○が○○歳にて永眠いたしました」
- 3生前のお礼
「生前のご厚情に深く感謝申し上げます」「故人が賜りましたご厚誼を心より御礼申し上げます」など。
- 4結びの挨拶
「明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」「皆様にはどうぞよいお年をお迎えくださいませ」など。
- 5日付・差出人
日付(年月/「令和○年○月」など)と差出人住所・氏名。連名の場合は世帯主の氏名のみ。
伝統的な格式高い文書では、句読点(「、」「。」)を打たないのが慣例です。これは「区切りなく流れるように」「相手に読みやすく区切る必要はないという敬意」を表すため。現代では読みやすさを優先して句読点を打つ書き方も普及していますが、フォーマルな相手には省略するのが無難です。
続柄の書き方|差出人から見た関係で
続柄は差出人(はがきの送り主)から見た関係で記載します。連名で出す場合は世帯主から見た関係で書くのが一般的です。
| 亡くなった方 | 本人差出 | 夫婦連名(夫が世帯主) |
|---|---|---|
| 自分の父 | 父 / 実父 | 父 / 父 ○○ |
| 自分の母 | 母 / 実母 | 母 / 母 ○○ |
| 配偶者の父 | 義父 / 岳父 | 父 / 義父 ○○ |
| 配偶者の母 | 義母 / 岳母 / 丈母 | 母 / 義母 ○○ |
| 夫 | 夫 ○○ | — |
| 妻 | 妻 ○○ | — |
| 息子 | 長男 ○○ / 次男 ○○ | 息子 ○○ |
| 娘 | 長女 ○○ / 次女 ○○ | 娘 ○○ |
| 祖父 | 祖父 ○○ | 祖父 ○○ |
| 祖母 | 祖母 ○○ | 祖母 ○○ |
| 兄 | 兄 ○○ | 兄 ○○ |
夫婦連名で出すとき、亡くなった方が「妻側の親」だと続柄が複雑になります。「義父」と表記するか、差出人を妻単独にして「父」と書くか、いずれかを選ぶのが現代的です。家族の意向で決めて問題ありません。
そのまま使える文例集
文例①:父が亡くなった場合(標準)
喪中につき年末年始のご挨拶を
失礼させていただきます
本年○月に父 ○○が○○歳にて永眠いたしました
生前に賜りましたご厚情に
故人になり代わり厚く御礼申し上げます
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
令和○年○月
文例②:母が亡くなった場合
喪中につき年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年○月 母 ○○が○○歳にて永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情を深謝し
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
なお時節柄皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
令和○年○月
文例③:配偶者(夫)が亡くなった場合
喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます
○月に夫 ○○が○○歳にて永眠いたしました
本年中に賜りましたご厚情を心より御礼申し上げますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
令和○年○月
文例④:祖父・祖母など二親等の場合
喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年○月に祖母 ○○が○○歳にて永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げ
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
令和○年○月
文例⑤:故人の名前・年齢を省きたい場合
喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます
本年○月に身内に不幸がございましたため
新年のご挨拶を控えさせていただきます
本年中に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
令和○年○月
「故人の名前を出したくない」「年齢を伝えたくない」と感じる場合は、文例⑤のように「身内に不幸がございました」と簡潔に書くだけでも問題ありません。プライバシー保護の観点からも、近年はこの形式を選ぶ方が増えています。
デザインとマナー|はがき・切手・色
はがきの種類
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 胡蝶蘭の通常はがき | 郵便局で販売される弔事用デザインの私製はがき。最も無難で広く使われている |
| 普通の通常はがき | 「胡蝶蘭」がついていない通常はがきでも問題なし。料額印面が桜のデザイン |
| 私製はがき+弔事用切手 | 市販の私製はがきに弔事用切手(菊などのデザイン)を貼る |
| NG:年賀はがき・カラフルなデザイン | 年賀はがきや明るい色のデザインは絶対にNG |
文字の色
- 薄墨:伝統的・格式高い印象。涙でにじんだ墨の色を表現する古来からの慣習
- 黒:現代では一般的。読みやすさを優先する場合に選ばれる
イラスト・デザイン
- 淡い色合いの蓮の花・菊・椿・桔梗など
- 白黒や薄いグレーのモノトーン
- カラフルなイラスト・キャラクター画像はNG
送り方の注意点
▼ 送付時のポイント
- 切手は普通切手 or 弔事用切手(年賀切手・記念切手はNG)
- 宛名は手書きまたは弔事用フォント(明朝体・楷書体)
- 朱書きや派手な装飾は避ける
- 本人が亡くなった場合は遺族から「○○の妻 ○○」と差出人欄に明記
- 郵便局留め・転送設定の確認(亡くなった方の郵便物が転送される設定の場合は注意)
会社の代表者や経営者が亡くなった場合、会社として喪中はがきを出すケースもあります。この場合は社名・代表者名(後任)・故人の情報を記載。会社の慣習や規模により判断が分かれるため、上司・顧問税理士などに相談を。
受け取った時のマナー
喪中はがきを受け取った場合の対応は、以下の3つから選びます。
| 対応 | 時期 | 内容 |
|---|---|---|
| ① 何もしない | — | もっともシンプル。失礼にはあたらない |
| ② 寒中見舞いを送る | 1/8〜2/3 | お悔やみと年賀状を控えた旨を伝える。最も丁寧 |
| ③ 喪中見舞いを送る | 受け取り後すぐ | 故人の訃報を初めて知った場合に。お線香などを添えることも |
寒中見舞いの文例
寒中お見舞い申し上げます
お父様の御逝去を知らずに失礼いたしました
心よりお悔やみ申し上げますとともに
ご冥福をお祈り申し上げます
寒さ厳しき折ご家族の皆様におかれましても
くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます
令和○年○月
年賀状が届いた後で喪中であることを知った場合は、寒中見舞いで「失礼いたしました」とお詫びを書きます。慌てて電話・メールで謝罪する必要はありません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 喪中はがきはいつまでに出せばよいですか?
11月初旬〜12月初旬までに投函するのが標準です。相手が年賀状の準備を始める前(多くの方は12月中旬)に届けるのがマナーです。12月後半に身内が亡くなった場合は、年明けに寒中見舞いで対応します。
Q2. 喪中はがきを送る範囲はどこまでですか?
一般的には二親等以内(父母・配偶者・子・祖父母・兄弟姉妹・孫)が亡くなった場合に出します。三親等以上(叔父叔母・いとこなど)でも、同居していた・特に関係が深かった場合は喪中とすることもあります。「絶対的なルール」はないので、気持ち的に年賀の挨拶ができないと感じれば出して問題ありません。
Q3. 喪中はがきは誰に送ればよいですか?
毎年年賀状をやり取りしている相手全員に送るのが基本です。仕事関係は「故人と面識のない取引先」には省略し、通常通り年賀状を出すという考え方もあります。会社の規定がある場合はそれに従います。
Q4. 喪中はがきに句読点を打ってもいい?
伝統的には句読点を打たないのが慣例ですが、現代では読みやすさを優先して句読点を打つ書き方も普及しています。フォーマルな相手(取引先・年長者)には句読点を省略するのが無難です。
Q5. 12月に身内が亡くなり、喪中はがきが間に合いません。どうすればよいですか?
12月後半に身内が亡くなった場合は、無理に喪中はがきを送らず、年明けの寒中見舞い(1月8日〜2月3日)で「身内に不幸があり年賀状を遠慮した」旨を伝えます。「お互いに気を遣わせない」配慮が大切です。
Q6. 喪中はがきには故人の名前を書かないといけませんか?
いいえ、必須ではありません。プライバシーの観点や心情的に「身内に不幸がございました」と簡潔に書くだけでも問題ありません。近年はこの簡潔な形式を選ぶ方が増えています。
Q7. 喪中はがきの切手は何を貼るべきですか?
普通切手または弔事用切手(菊などの落ち着いたデザイン)を貼ります。年賀切手や記念切手・カラフルなキャラクター切手はNGです。郵便局で「弔事用」と伝えると適切な切手を案内してもらえます。
Q8. 喪中はがきを受け取ったら、どう対応すればよいですか?
3つの対応が可能です。①特に何もしない(失礼にあたらない)、②寒中見舞い(1/8〜2/3)でお悔やみを伝える(最も丁寧)、③喪中見舞い(受け取りすぐ)でお線香などを添えてお悔やみを伝える。いずれを選んでも問題ありません。
Q9. 喪中の年に結婚式や引っ越しの報告はしてもいい?
喪中の年に結婚や引っ越しがあった場合、年賀状での報告は避けますが、別途報告状を出すか、寒中見舞いに添えて報告するのが一般的です。慶事の報告は四十九日が明けてからの時期が望ましいとされます。
まとめ|「先に伝える」気遣いがマナーの本質
喪中はがきは、相手が年賀状の準備で困らないように、また故人の訃報をやんわり伝えるための気遣いの手紙です。形式やマナーよりも、相手への配慮の気持ちが何より大切です。
葬儀後の手続きは多岐にわたります。喪中はがきと合わせて、死亡届の書き方、準確定申告(4ヶ月以内)、香典マナー、法事(四十九日・一周忌・三回忌)もあわせて確認してください。
ゆいぽけのエンディングノートでは、ご自身が亡くなったときに喪中はがきを出してほしい相手のリストや、年賀状をやり取りしている方の連絡先を整理して残せます。家族が「誰に連絡すればいいか」で迷わないために、エンディングノートの書き方ガイドもご参照ください。
